植芝盛平翁の遺志

植芝盛平翁先生が御昇天されてから早や二十六年余りに成ります。
植芝翁先生の指導を受けた方々は現在指導者の任務につかれていると思います。
植芝翁先生の遺された道文の説明や技法を指導者の皆様が何故説明せず戦前の合氣術の当て身や剛の技を指導しているのか、私は納得できかねます。
植芝翁先生は戦後「武産合氣と申され」「米糠三合持つ力で出来る」と合氣道の道文の原理を説き乍
ら実在の技を皆様が指導して頂いたと思います。

現在の合氣道を学んでいる方々に道文のお話しをしても、そんな文面や話は聞いた事がないという方ばかりで有ります。此れでは植芝盛平翁先生が生命を賭け「武は愛なり」と申され、世界平和の基礎を武道を通じて遺された、真の合氣道の道文や技は幻に成りかねないと思います。

植芝盛平翁先生の指導を受けた方々は翁先生の講話を思い浮かべ、文面を拝読しながら研究して、翁先生が何を合氣道修養者に望んでいるかを知ることです。
合氣道は相手を倒す稽古でなく、「氣で受け止め」相手を導くのが合氣道の稽古だと思います。  翁先生が「人間でなく人になるまでの修養だ」と申されています。

植芝盛平翁先生に指導を受けた方々は稽古を付けて頂いたときを思い浮かべても解る様に、痛みや力の技であったでしょうか。    
翁先生に力で掛かって行くとほいほいと歩いて跳ね飛ばされました。道文に「スウ」の字が中心にある合氣道の技は、中心の氣で導くのだと思います 合氣道は氣体、液体、固体の理法であり、技には最適な理法であります。
合氣道修行者は道文を研究して下さい、そして植芝盛平翁先生の意志と技を継承し後世に残して頂きたいと思います。                                  
               

               

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